- WEBディレクターで奮闘している方
- WEBディレクターを目指している方
【わかること】
板挟みになっている局面を楽しく打開する方法が分かります。
2つの視点とは?
- クライアント、プレイヤーもWinWinな環境、状態を作る
- 常に俯瞰して先導者の意識をもつ
WEBディレクターは、デザイナーやエンジニア、ライターなどのプレイヤーと一緒になって、クライアントの要望を形にしていきます。よく耳にするのがプレイヤーとクライアントの狭間でディレクターは苦労していることを散見されます。この悩みはつきもので、自分もいつも悩みのタネになっています。。
ですが、ちょっとした考え方を変えるだけでみんなが前向きになってチームが1つの方向へ向かわせることができます。狭間になってしまう関係性は時には辛いこともありますが、チームを1つにできる瞬間を味わえるのはディレクターとしての醍醐味でもあるので、ぜひ参考にご覧下さい。
大切にしたい2つの心構え
WEBディレクターとして提供するものは、クライアントの悩みを解決するものだったり希望に応える制作物だったりすると思います。言い換えればクライアントがWinな気持ちになってもらう、ハッピーになってもらうことだと思います。それを達成するためにはディレクター一人の力では及ばず、プレイヤーの協力を得ないと良い物を提供することは不可能だとディレクター自身が身にしみて感じていることだと思います。
クライアントもプレイヤーも、それぞれがWinWinになればチームとしての一体感がうまれ意義のある仕事ができると思います。どちらかだけがWinになるバランスだとダメで、そのバランスを取ることがディレクターの役割だと思います。
ウイン‐ウイン(win, win)
参考:コトバンク
双方がうまくいっていること。特に、政策において両者にとって適度に都合がいいこと。
そのバランスを取るときに大切にした2つの心構えがあります。
1つ目は、それぞれがハッピーになる環境、状態を見つけることです。過程段階でどんな環境で作業ができたらハッピーに取り組めるか、この業務を行うことでそれぞれにどんなハッピーな状態がうまれるか、このことを意識して与えてあげることで有意義な取り組みになります。いうならば、付加価値をつけてあげるということです。
2つ目は、常に俯瞰して状況をみることです。同じ土俵に立って考えると頭打ちになり、クライアントの担当者が何に悩んでいるのかわからなくなったりします。そうではなく、1つ先のレイヤーで捉える必要があります。大切なことの1つ目のハッピーな状態にする先導者という意識を持つことが大事です。
それでは、クライアント、プレイヤー、それぞれの立場からどんな状態や環境がハッピーなのか分析していきましょう。
クライアントの視点に立つ
クライアントの担当者は、組織の一員として様々な部署や立場の方がいます。現場担当者や現場責任者、統括するリーダーやマネージャー、決裁権限のある部長や役員、最終決定ができる代表取締役などなど。まずは、担当者がどんな役職でその会社においてどんなミッションがあるのかを把握する必要があります。
サイトを作りたい、サイトを立ち上げたい。といった要望の裏側には必ず担当者の別のミッションがあります。例えば現場担当者の場合は、「納期までに成果物を収めたい」「予算をできるだけ掛けずに実施したい」「上司を納得させられる資料などがほしい」などの会社組織内での事情があるかと思います。
その事情を察しして、良い状況になるための提案をすることもディレクターとしては大事な役目です。組織なので矛盾が生じることがあります。本当はAの選択が最善なのにBの選択をせざるおえないときなど。。そんな時はBの選択の中から別の方針を示してできる限りの提案をすることで担当者はハッピーな状態で前向きに取り組めます。
担当者のことを深く知り、担当者のミッションを達成できるための提案を常に行うことで信頼も構築でき、目標を達成するために二人三脚な状態を作ることができたら、あとは切磋琢磨して前へ進むだけです。
プレイヤーの視点に立つ
新しいデザインや技術に挑戦したい、既存にとらわれないものを作りたい、スケジュールがタイトなのにそんな無茶はできない、お戻しの回数が多くて疲弊する、言われたことだけをやるのならやりがいを感じられない。などなど、実際に形にしていく、アウトプットしていくプレイヤーにはクライアント担当者と直接やりとりしない時もあるので悩みやストレスとタネは多くあると思います。
まず、大事なことはできる限りの情報をプレイヤーに共有することです。情報の選別も必要ですが、今の状況やクライアントの状況は事細かく伝えることで不透明要素を無くしていく作業は、おろそかにしがちですが、ディレクターとして必要なタスクだったりします。
例えば、「納期がタイトならなぜその状態になったのか」「お戻しが多いのならどのレベルの担当者からのお戻しなのか」「この作業はクライアントの何に役立ち何の課題解決に繋がるのか」といった当たり前のことを共有するだけで、一緒に取り組んでいる感覚はうまれると思います。要は当事者意識をもってもらうことが大事だと思います。
プレイヤーのハッピーな状態や環境は、クライアントのハッピーな状態とは異なることが多いと思います。それはそれぞれの立場や状況が違うのですから、異なっていて当たり前だと思います。その異なりを1つの線に結びつける作業がディレクターとしての役目だと思います。こんな状況は数え切れないほどあると察します。。そんな時お互いがハッピーになることは全く別の状態だと思いますが、視点を変えることで少しはハッピーに変えられます。
それぞれの願望
クライアント:納期がタイトだができる限りサイトに動きを沢山つけたい
プレイヤー :納期がタイトなのに、そんな要望を反映する時間は無い
それぞれへの対応
クライアント:ユーザーへインパクトのある動きを1つだけ盛り込みましょう。
プレイヤー :チャレンジとして、新しい技術を1つだけ盛り込みましょう。
それぞれに付加価値をつけて、落としどころを模索する。その選択に周りが前向きに取り組んでいく。その過程は辛い道のりですが、みんながハッピーになってかつ結果が生まれればディレクターとしてやみつきになってしまいますよね。大変だからこその面白さでもあると思います。
最後に
クライアントとプレイヤー、全てを一体として、ラグビーでいうならばワンチームにすることって制作現場ではあまりできないことかもしれません。ですが、時たまに、文化祭を皆で作っているような感覚になるときがあります。ビジネスだから結果にはシビアなのですが、そんな一体感が生まれるときがあります。それはやはり皆がハッピーな状態、環境が築けているときだと思います。
ディレクターとして、その状態、環境を作って「人を動かす」スキルをぜひとも高めていただければと思います。