なぜ、制作現場にコーチングが必要なのか

制作現場では、クライアント・代理店・プロデューサー・ディレクター・デザイナー・開発・編集者・ライター・撮影など、一つのプロジェクトに関わる人は多岐にわたります。

これだけ多くの人たちが関わりチームで動く仕事だからこそ、一人一人のコミュニケーション能力が問われ、『相手の目的や想いを達成させる』ための意見を汲み取るスキルや『自分の意思や考え』を明確化するスキルが求められています。

ここに、私はコーチングの技術を学ぶ必要性コーチングを受ける必要性の両方を感じています。

また制作現場では、企画提案や制作進行を行うなどチームを纏めるリーダー的立場にいる方アウトプットを創るプレイヤーの方の2種に分かれますが、私はどちらの立場にもコーチングが必要だと感じています。

今回はこの2種の立場からみたコーチングの必要性についてご紹介したいと思います。

チームを纏めるリーダー的立場にいる方

ここでいうリーダー的立場にいる方は、プロデューサーやディレクター、アートディレクター、テクニカルディレクターなどを指します。

この方々は、同じ目的に向かってチームを動かすことが重要な任務の一つとしてあります。

しかし、それぞれの立場によって目的や方向性が異なるため、同じ方向へ視点を集中させることは容易ではなくリーダーとして悩みの種でもあります。

他者の状況や関心事を把握することは大切ですが、常に納期に追われる制作現場では、プレッシャーに追い詰められ遅くまで仕事をする日々が続き、人を慮る姿勢が疎かになることは少なくはありません。

そして、お互いが慮る意識が薄くなってチームとしての雰囲気が悪くなり高パフォーマンスを発揮できずに、成果物の品質(クオリティ)が低くなって結果がでない、誰もハッピーならない、という状況はリーダー的立場にいる人なら1度は経験したことがあるのではないでしょうか。

リーダーには、それぞれが目的を達成できる状態や環境を作り、一人一人が最大限のパフォーマンスを発揮できるコミュニケーションが求められます。それが実現できると、品質の高い成果物をアプトプットでき結果にも結びつきます。そしてチームのの満足度が高まり、成長促進にも繋がります。

最大限のパフォーマンスを引き出すためには、相手の意見を聞かずに命令してその通りに動いてもらうという方法で成果を出すこともできると思います。

しかし、この方法を継続するとメンバーたちの状況はどうなるでしょうか。言われた事以外をすると叱られるというマインドが形成され苦痛が蓄積され辞職するという悪循環となることは想像に難しくありません。

コーチングは、自主的な成長を求めて対話する専門的なコミュニケーションスキルです。『傾聴』『承認』『質問』などのスキルを用いて思考を深め最高の状態に成っていくことをサポートします。

切迫した状態が多く時間のプレッシャーがある制作現場だと、自分自身と向き合うという考え自体が無いに等しいのかも知れません。しかし、リーダー的立場にいる方が自分自身と向き合うことを促し、自主性を持たせることができれば、チームの状態は良い方向へ向かうと思います。

ではコーチングとはどのような関わり方なのかといった具体の説明は、割愛します。まずは自身がコーチングを受けてみて、どのような関わり方なのかを知ることが1番効果的だと思います。

また、リーダー的立場にいる方は立場上、相談できる人が少ないと思います。

・どのようにチームを纏めることができるのか。
・なぜチームとしてうまくいかないのだろうか。
・自分はリーダとしてのちゃんとできているのだろうか。
など

答えは自分自身の中に必ずあるので自らコーチングを受けて可能性を高めてみてはいかがでしょうか。

アウトプットを創るプレイヤーの方

ここでいうアウトプットを創るプレイヤーは、デザイナーやコーダー、ライター、カメラマン、編集者などを指します。

プレイヤーは、個人スキルがアウトプットにダイレクトで反映されるため評価基準が成果物のウェイトが大きくあります。

そのため、職人気質な人が多く『分かる人にだけ分かればいい』という考えの方も散見されます。コミュニケーションスキルは高くないけれど、それを補うだけの高クオリティを担保するスキルがあるため、価値を保つことができました。

しかし、AI技術の発展でアウトプットのスキルだけでは生き残れない時代となってきています。

言い換えれば、AIが(いまの技術では)補えないコミュニケーションスキルがプレイヤーにも求められてきています。

・クライアントはどのようなものを求めているのか。
・プロデューサーやディレクターの意見が果たして正しいのかどうか。
・もっとこんな風にした方が良いのではないか。
・結果を出すためにはどこに注力しないといけないのか。
など

指示されるままに行動するのではなく、自らの意見や考えを問われ、しっかりと主張する人材が求められてきています。

コーチングは、自分自身と向き合い可能性を最大限引き出して、自分自身の最高の状態に成ることができる取り組みです。

特にアウトプットを創る方は、納期に追われる日々を過ごして自分自身と向き合う時間もなく疲弊している方は多くいると思います。

・このままでいいのだろうか。
・いつになったらゆっくりできるのだろうか。
・これ以上にスキルを高めるためにはどうしたらいいのだろうか。
など

コーチングを受けて、自身のキャリアや今後について考えるキッカケを作ってみてはいかがでしょうか。その時間を作ることで今の環境の見え方に変化がうまれるかも知れません。

最後に。

いかがでしたか。

私自身、制作現場に身を置く人間なので、現場で感じたコーチングの必要性について語ってきましたが、偏見もあるかもしれませんのでご了承ください。

過酷というイメージがつきものの制作現場において、少しでも楽しいと思える環境になり、面白いクリエイティブが世の中に溢れかえれば魅力的な社会になると信じています。

そうすることで、クリエイティブする楽しさはさらに高まり自分自身に還元されていくと考えております。




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