仕事の質がぐんと高まるクリティカル・シンキングとは?

批判的思考という言葉で説明されるクリティカル・シンキング。いまのビジネスシーンでは、必要なスキルとして求められ、子どもの教育にも取り入れたいと話題になっています。

クリティカル・シンキングとは、物事を適切な方法で、適切なレベルまで考える思考スキルを指しますが、なぜいま求められるスキルとして注目されているのか見ていきましょう。

この記事のターゲット読者と分かること
【ターゲット読者】
仕事で壁にぶつかっている方
深掘りする思考のスキルを身に付けたい方

【わかること】
クリティカル・シンキングの全容と活用方法が分かります。

仕事の質がぐんと高まるクリティカル・シンキングとは?

ポイント
  • クリティカル・シンキングとは?
  • クリティカル・シンキングの活用方法
  • クリティカル・シンキングを活用する3つの姿勢

クリティカル・シンキングとは?

グロービス学び放題では下記のように定義されています。

クリティカル・シンキングとは、物事を適切な方法で、適切なレベルまで考えること

参照:グロービス学び放題

すなわち、クリティカル・シンキングは『考え方が整理できていない』『十分に考えていない』状況を打開する思考スキルです。

問題の一部だけに注目したり、問題をあちこち意味なく検討するのでは無く、『何のために考えるのか』という『目的は何か』を常に意識して明確にする、という思考スキルを指します。

また、クリティカル・シンキングは、ビジネスのシーンだけに効果があるのものではなく、他者との円滑なコミュニケーションにも役立ち、日常にも活かすことができます。

クリティカル・シンキングの活用方法

ここで1つの例を見てみましょう。



入社1年目のAさんは、他部署(開発チーム)との懇親会の開催を夜から昼に変更したいと、B先輩に相談しています。

Aさん・・
今度の懇親会、夜に企画していましたが、その日は部長に仕事が入ってしまいました。他の日に変更しようと思ったのですが、開発チームの部長の都合が空いている日がなかなか見つからなくて・・。でも元々予定していた日の昼だったら2人とも参加できるだろうし、時短勤務の方も参加しやすいかなと思って。ランチに変更していいですか?予算も少なくて済むので。

Bさん・・
うん?で、結局夜とランチ、どちらが参加できる人が多いの?本当にランチでいいの?



Aさんの説明はどんなところがわかりにくかったのでしょうか。

  • ランチに変更した場合、結局誰が参加できるのかわからない
  • ランチに変更しても懇親会の目的が達成できるかがわからない
  • 予算を少なくする必要があるのかわからない

これら全てが考えられますね。

これは、結論・主張となるメインメッセージ結論・主張を支える根拠のキーメッセージがごっちゃまぜになって伝えているから結局何を言いたいのかわからなくなっています。

この話でいうと

▽結論・主張となるメインメッセージ
歓送迎会を夜の飲み会からランチに変更したい

Aさんの主張したいこととその『理由』が明確になりました。
・参加必須の部長がその日の夜は参加できない
・他の日程の夜は、各部署の部長の都合が合わず、同日のランチは参加可能
・ランチであれば、時短勤務書も参加でき、大人数で集まれるので予算も安く済む

となります。Aさんの主張したいこととその『理由』が明確になりました。

このように、メインメッセージとキーメッセージを分解することで、どのような論理に基づいて結論を出したのか理解しやすくなりますね。

伝えたいこととその根拠を同時に考えているため、そのまま言語化してしまうと上記のAさんのような伝え方になります。しかし、聞き手のB先輩はAさんが何を伝えようとしているのかメインメッセージとなる結論を求めているのです。

『何を伝えたいのか』『その根拠は何か』と、説明の際にも目的を常に意識する事が大事です。

考え方のSTEPとしては

  1. イシューを特定する(今ここで、答えを出すべき『問い』)
  2. 論理の枠組みを考える(イシューに答えるために考慮・判断すべき論点のセット)
  3. 主張を適切な根拠で支える(『答え』をなぜならで支えるもの)

という順で考えると良いでしょう。

それぞれのSTEPの詳しい方法はグロービス学び放題で解説されています。

クリティカル・シンキングを活用する3つの姿勢

最後にクリティカル・シンキングを活用する3つの姿勢を紹介します。この姿勢を常日頃から意識して訓練することで、あなたの仕事の質はぐんと上がります。

  • 目的は何なのかを常に意識する
  • 自他に『思考のクセ』があることを前提に考える
  • 問い続ける

人はそれぞれ暗黙の前提を置いて考えているので、自分を客観的に見てみることが大事です。

また、3つ目の『問い続ける』という姿勢が非常に重要だと思います。結論に達したと思っても思考を止めずに、考え続ける『だから何?』『なぜ?』『本当に?』と考えを深掘りできているのか再度見直すことで、あなたの考えや視野は大きく変わっていきます。

今からでも『物事を適切な方法で、適切なレベルまで考えること』を意識した姿勢で取り組んでみましょう。はじめはSTEP通りに考える訓練が必要だと思いますが、だんだんと『論理に基づいて結論を出す』『問い続ける』というあなたの思考クセになっていき、コミュニケーションが円滑になったり問題把握能力が長けてくるでしょう。




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