・ヒアリング能力を上げたい方
【わかること】
質問を深掘りする1つのスキルがわかります。
ヒアリング能力を上げる時間軸の質問
- 時間軸の質問とは
- 課題は顧客側も分かっていない
- 使い方のコツ
時間軸とは
時間軸の質問とは、相手の回答に時間軸を取り入れて過去・未来にフォーカスを置いて質問するということです。
ヒアリングの始めから、今感じている考えや気持ちを引き出そうとすると表面上の回答しか得られず深掘りできなくなってしまいます。または、何かしらの回答が出てきたとしてもそれは本当の課題ではなく、もっと違う所に課題があることがあります。
時間軸を取り入れた質問が効果的なのは、課題や今の考えに至った要因は必ず過去にあるからです。その要因を聞き出すことで話の幅はぐんと広がり、顧客を理解することにも繋がります。
そして、未来にどんな状態が理想なのかを聞き出すことで、顧客がどんなことを求めているかを把握することができます。アウトプットの共通認識を持つことで、顧客と同じ方向を向いて話ができます。
課題は顧客側も分かっていない
顧客がはじめに依頼する際に抱いている課題は、本当の問題ではない場合が多くあります。顧客は、その課題に至ったまでの背景から説明するのではなく、その結果、すなわち表面上の課題しか話そうとしません。
それは故意ではなく顧客でさえ伝えないといけないという意識がないのです。
なぜなら、顧客は長い年月そのプロジェクトに携わっているため経緯は当たり前化しているのでその背景を話さないといけない意識が薄まっているのです。
それを聞き出すのがヒアリングであり、本当の課題を浮き彫りする作業なのです。
使い方のコツ
それでは、実際の例を基に使い方を見ていきましょう。
ECサイトの改善をしたい顧客に対してのヒアリングを例にしてみましょう。
『ECサイトを改善したい』という要望に対して、以下の質問を投げかけるとします。
あなた:『現状のECサイトのどんな所に課題を感じていますか?』
顧客:『導線周りが悪い』『デザインが良くない』
などの現状サイトの状態について回答すると思います。しかし、本当に引き出したいのはその課題を『なぜ』感じているかという回答だと思います。『なぜ』を知ることで、課題の背景にある問題点を把握することができます。その『なぜ』を引き出すには過去に対しての質問が効果的です。
あなた:『ECサイトを立ち上げた背景を教えていただけますか?』
という質問をすると、目的を成し遂げていない課題が浮き上がります。このように過去にフォーカスを当てると課題のコンテキストを引き出すことができます。
過去を知ることで顧客の歴史を知ることができ、課題に至った要因を引き出すことができます。このように、プロジェクトの過去・現在・未来を結びつけながら質問を問い掛けることで顧客と一体感を生み出し、理解が深まり理想像を浮かび上がらすことができます。