交渉で押さえておきたい基本要素 – ネゴシエーション –

皆さんは交渉と聞いてどんな場面を思い浮かべますか?

「限られた、特別な場面で行われる」
「専門的な立場の人が行うこと」

このように、資金調達や契約時、そんな場面を思い浮かべる方もいるかも知れませんが、もっと身近なものなのです。

例えばAさんとBさんが旅行に行くとします。

Aさんは〇〇ホテルが良い、Bさんは××ホテルが良い。こんな風にお互いの主張し合って譲らない。

こんな場面で役立つのが交渉の考え方なんです。

Aさんは〇〇ホテルが良いと主張しているもののよくよく聞いて見ると、
より良い過ごし方、小洒落たディナーを食べたいと思っていたとしましょう。

一方、Bさんは過ごし方は何でもいいが、実は××ホテルは思い入れがあってぜひ行きたいと思っています。

双方の意見が分かったとしたら、ホテルはBさんの譲れない××ホテルにして、過ごし方はAさんが希望しているディナーを食べるなどの企画を立てると誰もが納得できる旅行にできそうですね。

このように、交渉というのはどっちかが勝ちどっちかが負けるというものではなくて、
いかにお互いの関心を両立しあって、どっちも勝つ交渉を実現する、そのための技術なんです。

交渉とは、利害関係のある二者もしくは複数が、互いの意見、要求を主張して、最終的に妥結点に到達するプロセスのことです。

この交渉の技術、ネゴシエーションを身に付けるために押さえておきたい3つの基本要素をみていきます。

この記事のターゲット読者と分かること
【ターゲット読者】
交渉がうまくできない方
交渉のスキルを高めたい方

【わかること】
交渉スキルの基本要素がわかります。

交渉に臨む際の心構えと状況理解

交渉は、「どちらかがどこまで譲るかのせめぎ合いだ」「いかにして自分の有利な結果を導くのかが腕の見せ所だ」と思ってはいないでしょうか?

顧客から思わぬ要望があると、せめぎ合いという視点に陥りがちな場面は想像に容易いかも知れません。

しかし、「両者にとってWin-Winとなる結果があるはず」「交渉を通じて、お互いが得られる価値の合計を最大化する」ことに目を向けることで、せめぎ合いの視点から解放されて、双方が納得する視点がみえてきます。

この視点を身に付けるために、優れた交渉者に共通する4つの心構えと状況理解をみていきましょう。

4つの心構え

積極的に準備をする

顧客の業績や関心事などをよく把握して、顧客の要望に右往左往するのでは無く余裕をもって臨むことが大切です。

目標を高く設定する

交渉において個人では無く組織を団体しているので安易な妥協は禁物です。謙虚であることは美徳とはならない場合があります。
そのための心構えとして、対峙している相手との交渉の内容とは分けて捉えると良いでしょう。

相手の話に耳を傾ける

短期的に相手をやり込めても得はしないので、交渉の構造を理解するためにも相手の話に耳を傾ける傾聴が重要です。

誠実である

交渉は相手との駆け引き的な側面もありますが、約束を守るなど誠実はは駆け引きと両立して重要になります。

状況理解

心構えの姿勢のポイントを掴んだら、次は交渉前に置かれた『状況』を理解に努めましょう。

関係者は誰なのか、関係者の利害と関心は何なのか。

関係者が利害感心を持つ事柄のなかに「論点」があります。
その論点を解決に導くために、関係者が得たい「価値」を知り交渉に役立てましょう。

関係者が得たい「価値」を知るための3つの基本要素

図1のように交渉を行ううえで3つの基本要素が存在します。

BTNA

BTNAとは、Best Alternative To Negotiated Agreement略で『交渉で合意が成立しない場合の最善の策』をいいます。相手のBTNAを読むことで「どこで妥結させるか」がわかります。自分の交渉力を高めるには自分のBATNAを高めると良いでしょう。

留保価値

留保価値とは、下回れば絶対に交渉で妥結しない「最低条件」をいいます。
BTNAを読むことで、留保価値がみえてきます。

ZOPA

ZOPAとは、交渉が妥結する可能性がある範囲をいいます。

相手のBATNAを知り留保価値からZOPAを読み取ることで、交渉戦略に役立ちます。



いかがでしたか?
今回は交渉するうえでの基本要素を紹介しました。ぜひ仕事で活かしてみてください。

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