P、E、S、Tは
・政治、Politics
・経済、Economy
・社会、Society
・技術、Technology
の英語の頭文字を意味しています。
PEST分析は、企業の経営者や企画担当者が戦略を考える時に、その前提として企業経営を取り巻くマクロ環境を把握するために役立ちます。
また世の中の動きからどのような新しい事業や製品の開発にあたってのヒントを得るためにも用いることができます。
政治、Politics
マクロ環境に影響を与える政治的な要素としては、規制緩和や規制強化があります。
またその一方で新たなビジネスチャンスも生まれることでしょう。
その他、自社のビジネスに関連を持つ領域で下された判決や税制の変更、または政府や関係団体の動向などもビジネスに影響与える可能性があります。
このように政治や法律に関する動向は自社のビジネスの前提条件を左右する可能性があります。
経済、Economy
マクロ環境に影響を与える経済の要素としては、まず景気の動向が挙げられます。
例えば企業相手のビジネスを行っている場合、景気が低迷すれば取引先の予算は減少し、その結果自社の価格設定も見直しを迫られるかもしれません。また借り入れを行う際、そして輸出入や海外でのビジネスを行う場合、金利や為替の動向は売り上げや利益に大きな影響与えます。
さらに原材料の価格の変化など物価の動向も見逃すことができません。
このように経済的な動向は様々なルートを通じて売り上げや利益に影響値ます。
社会、Society
社会に関する要素には様々なものがあります。
その1つとして少子高齢化といった人口動態の変化がマクロ環境に与える影響があります。
またライフスタイルの変化、例えば娯楽もコミニケーションも買い物もスマートフォンで済ませる、在宅で勤務することを許可する職場の増加などといったことも社会の動向として注目すべきものです。
その他、教育の水準、価値観などの変化もビジネスに影響を与える可能性がある要素です。
こうした社会の動向は自社のビジネスにとっての機会にも脅威にもつながります。
技術、Technology
まず技術革新はビジネスのあり方を左右します。
技術を強みにしている事業では、既存技術の代替になる技術によって市場が縮小するどころか消滅することもあるため技術の動向には目が離せません。
またそれ以外の事業においても技術の動向はビジネスのあり方を大きく変える要素です。
まとめ
このようにPEST分析は、自社のビジネスに影響与える、世の中の動きを探るために用いることができます。またPEST分析は、現場を把握するのにはもちろんのこと、3年後5年後など少し先の未来を予測してそれを見越して戦略を立てるために役立てることもでき、企業経営を取り巻くマクロ環境を把握する際に活用できます。
しかし、PEST分析によって具体的な戦略までは導き出せません。PEST分析によって世の中の流れを把握した上で、3C分析やSWOT分析だなどとといった他の組み合わせて用いていくことが大切です。
PEST分析はマクロ環境を把握するためのフレームワークですが、一口にマクロ環境といっても多岐にわたります。PEST分析の活用にあたっては、そのすべての要素を網羅することは不可能です。従ってが自社のビジネスに与える影響が大きな部分はどこなのかを意識して特に重要な箇所を重点的に分析することが重要です。
また各要素は独立しているわけではなく相互につながりを持っていることに注意を払うことが必要です。
PEST分析は自社にとって影響が大きい部分はどの部分か、要素間の繋がりを意識して活用することが大切です。
