SWOT分析は、企業を取り巻くビジネス環境を分析するためのフレームワークです。
S、W、O、Tは
・強み、StrengthsのS
・弱み、WeaknessesのW
・機会、OpportunitiesのO
・脅威、ThreatsのT
の英語の頭文字を意味しています。
SWOT分析では、
・ヒトモノカネやバリューチェーンなどといった内部要因、
・マクロ環境や業界環境、市場、顧客、競合などといった外部要因
をそれぞれを好ましい傾向のポジティブと好ましくない傾向のネガティブで整理することができます。
SWOT分析は事業の成功要因、KSFや事業機会を導き出し、自社のビジネス環境を整理するのに役立ちます。
外部要因のOとT
まず外部要因のOとT、機会と脅威についてです。
外部要因は社外、つまり自社を取り巻くビジネス環境のことです。
まずはマクロ環境をみてみます。
PEST分析で、政治・経済・社会・技術の側面から自社のビジネスに与える要素を取り出します。
例えば
・規制緩和が競争激化させる景気の影響を受けやすい
・人口減少してマーケットが縮小する
・技術革新によりビジネスモデルが変わる
というような観点です。
加えて市場・顧客分析によって、自社の製品やサービスを買う顧客を把握し、競合分析では競争相手の企業について把握しましょう。
そして業界分析では、5つの力分析などで業界の構造を掴みます。この時、何が事業の成功要因なのかを十分に検討しておくことがポイントです。
こういった外部要因の分析から自社のビジネス機会にとってポジティブあるいはネガティブな要因となるのか、またそれによりどんな脅威が生まれるのかを把握していくのです。
内部要因のSとW
次に内部要因のSとW、強みと弱みについてです。
内部要因とは簡単にいえば、社内つまりヒトモノカネやバリューチェーンといったものです。
内部要因の分析は、競合との比較を用いると良いでしょう。
例えば
・開発力
・提供する製品やサービスが良いものかどうか
・シェア、業界内でどの程度のシェアを持っているのか
・ブランド力、提供する製品やサービスのブランドが市場でどれだけ浸透し、またブランドをいくつ持っているのか
・事業ポートフォリオ、展開している事業の数が適切かどうか
・海外ネットワーク、ビジネスの展開先をどれだけ持っているか
といった要素について自社の強みと弱みに分解し自社の中核となる強みを見極めます。
そして先ほど把握した市場における機会と脅威に対して自社の強みを活かして弱みを克服するにはどうすれば良いかを考えます。
事業のKSF、主要成功要因と自社の強みが合っていない時はKSFを変えるために外部環境に働きかけたり自社の強みを変えてKSFにフィットするようにする、といった努力をします。
このように自社の強み弱みを把握することで次の打ち手の検討へと繋がります。
クロスSWOT分析
SWOT分析の発展編としてクロスSWOTという分析があります。
これはSWOT分析から得られた項目から、特に重要そうな要素をいくつか抜き出し対策を検討するものです。検討に当たっては縦軸に外部環境の機会と脅威を、横軸に内部環境の強みと弱みを取り、マトリックスを作成します。
SとOは、自社にとっては大きなチャンスになりますので徹底的に有利なポジションを築ける戦略を立てます。
WとOは、弱みを克服して機会を獲得していく施策を考えます。
SとTは、自社の強みを活かして脅威の影響を抑える打ち手を考えます。
WとTは、自社にとってのダメージが出来る限り少なくなるような対策を考えます。
このようにクロスSWOTはSWOT分析で導いた要素を掛け合わせることで、弱みや脅威を克服できる可能性を検討できるのです。なお経営資源は限られているので、優先順位を適切に設定することも大切です。
まとめ
SWOT分析は自社のビジネスに影響を与える環境を把握するために内部と外部から分析することができます。
外部は自社を取り巻くマクロ環境や市場状況分析し機会と脅威を整理します。
内部は自社のヒトモノカネやバリューチェーンを競合と比較し、自社の強みと弱みを把握します。
こうした分析から見えてきた課題をポジティブに捉え弱点を強みに脅威を機会に捉えることを検討して次のうち手につなげることができるのです。
自社のSWOTを把握して、戦略立案に役立てます。