Webデザイナーの仕事はAIでなくなるのか

Webデザイナーの仕事はAIでなくなるのか|発注はこう変わった

「Webデザイナーの仕事はAIでなくなるのか」を、発注する側から書きます。

職種はなくなりません。ただ、依頼の形はもう変わっていて、LPのデザインをゼロベースで起こしてもらう依頼を、AIが生成したデザインを整える作業に切り替えた案件があります。バナーも同じ方向に進む可能性があります。

未経験からWebデザイナーまでの全てが学べるマンツーマンスクール【全額返金保証・受講料5万円OFF】WEBCOACH

ゼロベースの依頼が、整える作業に変わった

ある案件では、LPの構成をClaudeでFigma上にデザインとして起こしてもらい、デザイナーには、生成されたデザインを整える作業をお願いしました。

以前なら、構成を渡してデザインを丸っと起こしてもらう依頼です。

すべての案件がそうなったわけではありません。ただ、生成できる範囲がここまで来ているので、バナーもLPも、デザインを全部お願いするという形は、少しずつ減っていくのかなと思います。

見積の項目でいうと、撮影費は立てなくなりました。動画バナーの素材もAIで生成しているためです。総額としては、以前より安価になっています。

Web制作の現場で、AIはどこまで来ているか

AIの影響を先に受けやすいのは、デザイナーだと思います。

ディレクターの側でも影響が出ているケースはあります。ただ、上流から考えること、顧客の要望に沿って企画を提案すること、課題に沿って企画を提案することについては、まだ人が勝る部分があるのかなと思います。

工程ごとの差は、もう出ています。

  • 競合調査:2〜3日 → 1〜2時間程度
  • 構成案の骨子:2日 → 半日
  • 動画バナーの構成案:半日〜1日 → 1時間程度
  • 企画書:1週間程度 → 1〜2日程度

AIを使わないと、今のスピード感に追いつけない状態になっています。

一方で、どのような解析をするべきなのか、そこから何を課題として抜き出すのかは、まだ自分でやったほうが早いときがあります。コピー案も弱い。こちらから注意して、品質チェックとブラッシュアップをかけている領域です。

AIを使うために増えた作業もあります。どう指示を出すか、プロンプトをどう作るかに、いちばん時間を費やしています。

AIを使えることは、それだけでは差別化になりにくい

AIを使えることを理由に発注を決めた、ということは今のところありません。

Figmaの中でAIを使って作っているデザイナーはいます。ただ、その方は、そもそもデザイナーとしてのスキルがかなり高い。

順番が逆なのだと思います。AIが使えるからデザインスキルが要らなくなるのではなく、デザインスキルがあるからAIを使いこなせているという訳です。

スキルが伴っていない状態でAIを使うと、出てくるものの精度がついてこない場面もあります。道具が同じでも、結果が同じにはなりません。

求められることは、実はあまり変わっていない

こちらが今も頼んでいるのは、デザインのトレンドを知っていて、AIも活用していて、0から10まで言わなくても、0から3までの情報や指示である程度良いものを作ってくれる人です。

0から10まで説明が必要な場合、どうしても優先順位は下がります。同じものを、こちらの工数を増やさずに形にできる方がいれば、そちらにお願いすることが増えるからです。

指示を細かく書くこと自体が、発注側の工数になります。そのため、経験則で補ってもらえる前提の情報は、そもそも渡されないことも多いです。

このあたりはAIが登場する前から変わっていません。変わったのは、その差が出るまでの時間が短くなったことのほうです。

効いているのは、制作会社での経験があるかどうか

独学とスクール出身で、発注側から見た差はあります。スクール出身の方のほうが、基礎ができているところはあると思います。

ただ、それより大きいのは、制作会社での経験があるかどうかです。

制作会社での経験がある方は、制作の流れが分かっています。クライアントがどのようなポイントを求めているのかも分かっていますし、ディレクターとの仕事の仕方も分かっている。こちらとしては、やはりやりやすい。デザインスキルも高い傾向にあります。

経歴の欄には出てこない3つ

やりやすいと感じている中身は、3つです。

  1. 制作の流れが分かっていること
  2. クライアントが求めるポイントが分かっていること
  3. ディレクターとの仕事の仕方が分かっていること

この3つは、ポートフォリオにも職務経歴書にも書かれません。やり取りの中で出ます。

Web業界に入ってきて、AIでWebサイトを作ること自体は簡単になってきています。そこで肝心なのが、その良し悪しを判断すること、効果が出るかどうかを判断できることです。そこは経験則やノウハウの領域になります。見極めと品質チェックができなければ、ただWebサイトを作るだけ、ということになってしまいます。

では、制作会社に入らずにこの3つを埋める方法があるのか。ここについては、まだ答えを持っていません。

AIを触れること以上に、Web業界のトレンドを知っていること、何が効果的なのかを知っていることが要る、というところまでは言えます。その順番で積んだときに、経験の年数をどこまで飛ばせるのか。ここは、受ける側がいちばん知りたいところだと思います。


未経験からWebデザイナーまでの全てが学べるマンツーマンスクール【全額返金保証・受講料5万円OFF】WEBCOACH

※記事内に広告が含まれています


執筆者

大下 司

Webディレクター
大下 司

1988年、福岡生まれ大阪育ち。大阪芸術大学を卒業。
制作会社でWEB制作の企画・制作・運用を10年以上を経て、2023年よりフリーランスとして活動。2026年より株式会社Sunを設立。
長年にわたるWeb業界での経験をもとに、Web業界に纏わる記事を執筆中。
自分のミッションは次世代を担う人材を創ること。